英単語が覚えられない人へ|多読を活用した英単語の覚え方

「英単語帳を何周しても、翌日には忘れている」
「文字を見れば分かるのに、英語で聞くと気づけない」

そんなことが続くと、
「私、英単語を覚えるのが苦手なのかな」
「年齢のせい?」
と思ってしまいますよね。

でも、英単語が覚えられないとき、
必要なのは必ずしも
もっと頑張って暗記することではありません。

私たちは、今知っている日本語を
すべて単語帳で暗記したわけではありません。

同じ言葉に何度も出会いながら、
少しずつ意味や使い方を知ってきました。

英単語も、同じように育てることができます。

この記事では、多聴多読を通して
英単語と何度も出会いながら、
語彙を育てていく方法を紹介します。

目次

英単語が覚えられない?一度で「知っている語」にならなくていい

英単語を覚えるとき、私たちはつい、
覚えた / 覚えていない
の二択で考えてしまいます。

でも実際には、
その間にいろいろな段階があります。

語の知識できることの例
見覚えがある本の中で見たとき、「前にも見た」と気づく
意味が分かるその場面で、だいたい何を表すか分かる
音が分かる聞いたときに、その語だと気づく
使い方が分かる一緒に使われる語や、場面に合うニュアンスが分かる
自分で使える話す・書くときに思い出せる

単語帳で英単語と日本語訳を一度確認しただけで、
これを全部一気に完成させるのは大変です。

昨日覚えた単語を今日思い出せなかったとしても、
学んだことがゼロになったとは限りません。

「意味は出てこないけれど、見覚えはある」
「文字なら分かるけれど、音ではまだ気づけない」

という途中の段階にいることもあります。
だから、英単語は一度で完璧に覚えなくて大丈夫です。

出会うたびに、
顔見知り → 知り合い → よく知っている言葉
へと、少しずつ関係を深めていけばいいのです。

多読で英単語が覚えやすくなる3つの理由

本の中で出会うと英単語の意味を推測しやすい

たとえば、絵本にこんな一文が出てきたとします。
“Don’t wake him,” she whispered.

登場人物が眠っている人を指し、
もう一人が口元に指を当てている。

そんな絵があれば、
whispered を知らなくても、
「小さな声で言ったのかな」と想像できます。

ここで覚えるのは、
日本語訳だけではありません。

  • 静かな部屋
  • 眠っている人
  • 口元に当てた指
  • 起こしてはいけない、という緊張感

そうした物語の場面も、
whispered の意味を思い出す手掛かりになります。

そして別の日、別の本でこんな文に出会ったらどうでしょう。

“The dragon is right behind us,” Tom whispered.

トムは、すぐ後ろにいるドラゴンに
気づかれないように、声をひそめています。

ここで、
「あ、whispered は、
寝ている人を起こさないときだけに
使う言葉ではないんだ」
と分かります。

さらに、

“I have a surprise for Mom,” Ben whispered.

という文に出会えば、
「秘密を話すときにも使えるんだ」
と分かります。

3つの場面に共通しているのは、

「声をひそめて言う」

ということ。

こうして一つの英単語の輪郭が、
出会うたびに少しずつはっきりしていきます。

これが、多読の面白いところです。

同じ英単語に何度も出会える

「本を読む人は、たくさん言葉を知っている」
というイメージがあります。

実際、一般的に、読書経験が多い人ほど
語彙知識も豊かな傾向があります。

考えてみれば自然なことです。

読書をすると、日常会話では
なかなか出てこない表現にも触れます。

しかも、一度ではなく、
違う文章の中で何度も再会します。

同じ言葉に、

「こういう意味でも使うんだ」
「この言葉と一緒に使うことが多いんだ」

と出会い直していく。

英語でも、この「文脈の中で言葉に出会い直す環境」を
作ってくれるのが多読です。

何度も読むうちに英単語の使い方が分かる

単語帳では、bright を「明るい」と覚えるかもしれません。

でも、本を読んでいると、

  • a bright room
  • a bright color
  • a bright child

のように、いろいろな組み合わせに出会います。

同じ bright でも、

「部屋が明るい」
「色が鮮やか」
「頭の回転が速い」

と、場面によって意味の輪郭が変わります。

単語帳は、最初の意味を短時間で知るのが得意です。

一方、本は、
その単語が、誰に、何に、どんな状況で使われるのか
を教えてくれます。

どちらか一方を選ぶ必要はありません。

単語帳で入口を作り、本の中でその単語を育てる。

そんな使い分けができます。

英単語を覚えるなら「簡単な英語」をたくさん読もう

英語多読とは、自分にとって
無理なく意味を追える英語を、
楽しみながらたくさん読む学習法です。

「語彙を増やしたいなら、
難しい本を読んだ方がいいのでは?」

と思うかもしれません。

でも、知らない単語ばかりの文章では、
前後の文も手掛かりになりません。

物語も進まず、
「結局、辞書ばかり引いている」
という状態になりやすくなります。

語彙を育てたいときこそ、
むしろ少し簡単に感じる絵本や
Graded Readersが役に立ちます。

知っている単語が多い文章なら、
物語の流れを止めずに読み進めやすく、

知らない単語が出てきても
前後の内容を手掛かりにできます。

知らない単語を全部ノートに
書き写す必要はありません。

まずは内容を楽しみながら読み進め、
何度も出てくる単語や
気になる単語だけを意識してみましょう。

その中から、

  • 何度も会う単語
  • 物語を理解するのに大切な単語
  • 自分で使いたい単語

と、少しずつ仲良くなっていけばいいのです。

多聴多読なら英単語の意味と発音を一緒に学べる

文字で見れば分かるのに、英語で聞くと気づけない。

これは珍しいことではありません。

英単語には、
つづりとして知っていること
と、

音として知っていること
の両方が必要だからです。

そこで役に立つのが、
音声付きの本を使った多聴多読です。

たとえば先ほどの whispered なら、
文字を見ながらナレーターの声を聞くことで、

  • 絵と物語から意味を考える
  • whispered というつづりを見る
  • 実際にどう聞こえるかを聞く

という3つを、同じ場面で経験できます。

発音を単独で覚えるより、
「ドラゴンに見つからないように声をひそめている場面」
と音がつながっている方が、
あとから思い出しやすくなることがあります。

日本人大学生75人を3つの条件に無作為に分け、
低頻度の英単語を絵とともに学んでもらった研究では、
「文字+音声」のグループは「音声だけ」のグループより、
絵を見て英単語の音を思い出す成績が高くなりました。

また、音声に触れたグループの発音は、
文字だけのグループより、
直後のテストで聞き手に理解されやすいと評価されています。

Uchihara et al., 2022

英単語は多読だけで覚えなくてもいい

ここまで多読のよさを書いてきましたが、
多読はすべての語彙学習を
置き換える方法ではありません。

たとえば、次のような語は、
単語帳、辞書、問題演習、会話や作文などで
直接練習するほうが効率的です。

  • 試験日までに覚える必要がある指定語彙
  • 仕事で誤解なく使う必要がある専門用語
  • 正確なつづりを書けるようにしたい単語
  • 会話ですぐに使いたい単語
  • 本の中になかなか出てこない低頻度語

多読で自然に出会うのを待てる単語と、
期限までに覚える必要がある単語は、
分けて考えましょう。

よく出る単語は本の中で意味や使い方を深める。
試験語彙や専門用語は単語帳や問題演習で補う。

それぞれの方法の得意なところを使えばよいのです。

英単語学習に多読を取り入れるなら、やさしい本から始めよう

「多読をやってみたいけれど、何を読めばいいのか分からない」

という方は、

英語多読初心者におすすめの本
から、自分には少し簡単に感じるものを選んでみてください。

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まとめ|英単語は「一度で覚える」より出会い直せる環境をつくろう

英単語が覚えられないとき、
「もっと暗記しなきゃ」
と考える前に、

その単語と、もう一度会える環境を作れないかな?

と考えてみてください。

単語帳で最初の意味を知る。

やさしい本の中で、その語にもう一度出会う。
音声付きなら、つづりと音も一緒に聞く。

一度で、
意味・つづり・発音・使い方
を全部覚えなくても大丈夫です。

英単語は、何度も会ううちに、

「見たことがある言葉」から「よく知っている言葉」へ

少しずつ変わっていきます。

WorldLit Circlesでは、
やさしい本と音声による多聴多読を土台に、
インプットを「自分の言葉で使える英語」へつなげています。

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まずは今日、本を一冊読んだら、
その中から気になった単語を
一つだけ選んでみてくださいね。

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