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英語多読で伸びる力と変化の目安|研究と実例から見る効果

「英語の本をたくさん読むと、英語力が伸びるらしい」
そう聞いても、
「本当に読むだけでいいの?」
「分からない単語があっても、読み進めて大丈夫?」
「どれくらい読めば効果が出るの?」
と、疑問に思いますよね。
結論からいうと、自分のレベルに合ったやさしい英語を
たくさん読む多読は、読解力や語彙力、
読むスムーズさなどを育てる学習方法です。
ただし、難しい洋書を我慢して読み続ければ、
すぐに英語ができるようになるわけではありません。
多読の効果を感じるためには、
・無理なく内容を理解できる本を選ぶ
・短い時間でも継続する
・分からない単語をすべて調べない
・少しずつ読む量を増やす
ことが大切です。
変化を感じる時期には個人差がありますが、
早い人では数週間で英文を読むのが少し楽になったと感じます。
3か月ほど続けるうちに読書が習慣になり、
数十万語と読み重ねた頃から
日本語に訳さなくても、読んだ順番で意味が入ってくる
と感じる人もいます。
私自身、多聴多読を18年以上続け、
多くの英語学習者を見てきました。
この記事では、これまでの経験と研究結果をもとに、
英語多読で期待できる効果や変化を感じる時期、
効果を感じるために知っておきたいポイントを
分かりやすくお伝えします。
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そもそも英語多読とは?
英語多読とは、簡単にいうと
自分が理解できるやさしい英語を、たくさん読む学習法です。
学校の英文読解では、
一文ずつ日本語に訳したり、
分からない単語を辞書で調べたりした方も
多いのではないでしょうか。
多読では、一つひとつの文章を完璧に理解することよりも、
物語や文章全体の意味を楽しみながら
読み進めることを大切にします。
そのため、最初から一般向けの
難しい洋書を読む必要はありません。
子ども向けの短い絵本や、
英語学習者向けに語彙や文法が調整された本
から始めてもよいのです。
「こんなに簡単な本で、本当に勉強になるのかな?」
と思うくらいの本が、
最初はちょうどよいこともあります。
英語多読の基本的な考え方や本の選び方は、
関連記事「英語多読とは?大人の英語が伸びる理由と初心者でも続く始め方」
でも紹介しています。

英語多読で期待できる5つの効果
1.英文を日本語に訳さず理解しやすくなる
多読を続けていると、
英語を読むときの負担が少しずつ減っていきます。
英文を見るたびに日本語へ訳していると、
短い文章でも頭をかなり使います。
長文を見るだけで疲れたり、
読むこと自体が嫌になったりすることもありますよね。
やさしい英文をたくさん読んでいると、
よく使われる単語や文の形に何度も出会います。
すると、毎回日本語に訳さなくても、
英語を見ただけで意味が分かる表現が
少しずつ増えていきます。
たとえば、“Hello”を見たり聞いたりしたとき、
頭の中で「こんにちは」と訳さなくても
意味が分かりますよね。
絵本から始める多読では、
まず、英語のまま意味が分かる単語や表現を
増やしていきます。
単語がつながって短い文が分かり、
さらに少しずつ本の難易度を上げることで、
長い文章も読んだ順番のまま理解しやすくなります。
難しい英語を無理に攻略するのではなく、
英語のまま分かる範囲を少しずつ広げていく。
それが多読の基本です。
2.英単語を文脈の中で理解できるようになる
単語帳では覚えたはずなのに、
洋書やニュースに出てくるとすぐに意味が浮かばない。
そんな経験はありませんか?
単語帳では、英単語と日本語訳を一組にして
覚えることが多いと思います。
しかし、実際の英語では、
一つの単語がさまざまな場面や意味で使われます。
多読をしていると、
同じ単語に違う文章や場面の中で何度も出会います。
そのたびに、
「この場面では、こんな感じで使うんだ」
「この単語には、こういうニュアンスもあるんだ」
と、少しずつ理解が深まります。
単語の日本語訳を覚えるだけでなく、
文脈の中で意味を捉える力を育てられることも
多読のメリットです。
3.英語を前から順番に理解する力がつく
英語を読むとき、
文の最後まで読んでから前に戻り、
日本語の語順に並べ替えていませんか?
この読み方を繰り返していると、
長文を読むのに時間がかかります。
さらに、リスニングでは
音声が先へ進んでしまうため、
途中で理解が追いつかなくなることもあります。
多読では、やさしい英文を
前から順番に読む経験を重ねます。
すぐにすべての英文を英語のまま
理解できるようになるわけではありません。
それでも、やさしい文章なら、
前に戻らなくても意味が分かる場面が
少しずつ増えていきます。
この積み重ねが、
英語を読んだ順番で理解する力の
「英語脳」土台になります。
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4.英文を読むスピードが上がり長文への抵抗が減る
一文ずつ訳したり、
単語を調べたりする回数が減ると、
英文を読むスピードも上がりやすくなります。
初めは数ページ読むだけで疲れていた人でも、
多読を続けるうちに、
「前より長く読めるようになった」
「途中で前に戻る回数が減った」
「洋書を一冊読み切れた」
といった変化を感じることがあります。
試験の点数だけでは見えにくいものの、
こうした変化も読解力が育っているサインです。
5.英語多読がリスニング力を伸ばす土台になる
「本を読むことが、どうしてリスニングに関係するの?」
と思うかもしれません。
文字で読んでもすぐに理解できない英文は、
音だけで聞くと、さらに理解が難しくなります。
多読によって、よく使われる単語や
英語の語順を素早く理解できるようになると、
聞いた英語を理解するための土台も整っていきます。
ただし、本を読むだけで、英語の音を
すべて聞き取れるようになるわけではありません。
リスニングも伸ばしたい場合は、
音声付きの本を選び、
音声を聞きながら文字を読む多聴多読を
取り入れるのがおすすめです。
私も以前は、日本語字幕で
海外映画やドラマをたくさん見ていました。
しかし、字幕を読んでストーリーを楽しむだけでは、
なかなか英語を聞き取れるようになりませんでした。
その後、洋書の朗読を聞きながら
本を読むようになりました。
必死に聞き取ろうとしたわけではありません。
「自分で読まなくていいから楽だな」と思いながら、
物語を楽しんでいただけです。
それでも続けているうちに、
文字と音が少しずつ頭の中で結びつき、
英語の聞こえ方が変わっていきました。
具体的な方法は、関連記事「英語リスニングが伸びない人へ|聞き取れない原因と多聴多読の始め方」で紹介しています。

英語多読の効果は研究でも確認されている
多読については、
世界各地でさまざまな研究が行われています。
2025年に発表されたメタ分析では、
第二言語・外国語学習における多読の研究を
まとめて分析した結果、
- 読解力
- 語彙
- 読むスムーズさ
- 学習意欲
など、調査対象となった複数の領域で
プラスの効果が確認されました。
効果の大きさは小さいものから中程度で、
学習者の年齢や学習環境、
本の選び方などによっても結果は異なります。
これは多読をすれば、誰でも短期間で英語がペラペラになる
という意味ではありません。
自分に合った英語を継続して読むことが、
読解力や語彙などを育てる助けになるということです。
多読は無理なく英語に触れる時間を増やし、
英語を理解する経験を積み重ねる方法として、
取り入れる価値のある学習法だといえます。
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英語多読の効果はいつから感じる?
「どれくらい読めば、英語が変わったと感じられるの?」
多読を始めるとき、いちばん気になるところですよね。
多読の効果を感じる時期は、人によって異なります。
これまでの英語経験、読む本の難しさ、
挿絵の有無、読む頻度などが違うためです。
そのため、5万語読めば必ず効果が出る
3か月続ければ必ず点数が上がると、
一つの数字で区切ることはできません。
目安としては、
次のような段階で変化を感じる人がいます。
・数週間:英文を読む負担が少し減る
・3か月前後:多読の読み方に慣れ、習慣ができる
・数十万語:英語を読んだ順番で理解する感覚が育つ
・半年以降:試験、仕事、リスニングなどで変化を感じる人もいる
大切なのは、試験結果だけで
効果を判断しないことです。
最初の3か月は絵本で英語の感覚を育てる
私がおすすめしているのは、
最初の3か月ほどは、
なるべく挿絵の多い絵本を読むことです。
たとえば、1冊250語の絵本を200冊読めば、
合計で5万語になります。
「200冊も読むの?」
と思うかもしれません。
ただ、絵本の5万語は、
文字だけの本を読む5万語とは少し違います。
絵本では、登場人物の表情や動き、
場所の様子を絵で確かめながら英語を読みます。
たとえば、“angrily”という言葉が出てきたときも、
英和辞典で「怒って」と確認するだけではありません。
登場人物の顔やしぐさを見ながら、
「こういう様子を表す言葉なんだ」と
イメージできます。
形容詞や副詞、動作を表す言葉は、
こうした情景と一緒に触れることで、
意味やニュアンスを捉えやすくなります。
この時期に目指したいのは、
速く読むことではありません。
多読の読み方に慣れ、
英語とイメージを直接結びつけることです。
英語のまま分かる範囲が広がってきたら、
少しずつ文章の長い本へ進んでいきます。

50万語前後で「物語を楽しめるようになった」人も
WorldLit Circlesで多読を続けたリカさんは、
50万語を超えた頃から、英語を読む感覚が
変わったと話しています。
以前より日本語に訳したり、
前に戻って読み直したりすることが減り、
英語を読んだ順番のまま理解しやすくなりました。
音声の速度を上げても大筋が分かり、
英語を読むことより、
物語そのものを「面白い」と感じられるように
なったそうです。
さらに50万語を過ぎると、
自分の好みに合わせて本を選べるようになり、
「読書の自由が広がった」と感じたといいます。
もちろん、50万語を読めば、
誰にでも同じ変化が起きるわけではありません。
しかし、やさしい本から土台をつくり、
読み重ねていくことで、
「英語を練習している」という感覚から
「英語で物語を楽しんでいる」という感覚へ
変わる可能性があります。
半年ほどで読書習慣や試験結果に変化が出た例も
綾子さんは、WorldLit Circlesに参加して半年ほどで、
自然と毎日英語の本を読む習慣が身につきました。
以前は「英語を頑張らなければ」と、
学習方法を紹介する本や問題集を
たくさん買っていたそうです。
多読が習慣になってからは、
その多くを手放しました。
本人の申告では、
特別なTOEIC対策をしていない時期に、
スコアが630点から705点へ伸びています。
もちろん、スコアの変化を
多読だけの効果と断定することはできません。
それでも、机に向かって無理に勉強するのではなく、
仲間と感想を共有しながら毎日英語に触れたことが、
習慣と英語力の変化につながったと感じています。
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短い時間でも継続することで変化を感じる人はいる
長い学習時間を取れないからといって、
多読をする意味がないわけではありません。
アッキーさんは、
社会人になってから朝の通勤時間約20分を使い
多読を続けました。
本人の申告では、
TOEICスコアが4月の795点から、
翌月には830点へ上がったそうです。
この期間はTOEIC Part 5の勉強にも取り組んでいたため、
多読だけによる変化とは断定できません。
それでも、以前はシャドーイングや模試に
毎日2〜3時間取り組んでいたアッキーさん自身が、
限られた時間で続けた多読に手応えを感じています。
「毎日1時間読めないからできない」と
考える必要はありません。
通勤中の20分や寝る前の10分など、
生活の中に本を開く時間をつくることから始められます。
多読の語数は効果が出る期限ではなく成長の目安
多読では、
読んだ語数を記録することが励みになります。
ただし、語数は「ここまで読めば、必ず英語力が伸びる」
という期限ではありません。
同じ5万語でも、辞書を引きながら難しい小説を読むのと、
絵を見ながら内容を理解できる本を読むのとでは、
得られる読書経験が異なります。
語数は自分を追い込むノルマではなく、
英語に触れてきた積み重ねを確認するための目印です。
数字だけにとらわれず、
自分が無理なく理解できる本を
楽しみながら読み進めましょう。
英語多読をしても効果を感じない5つの原因
1.読んでいる本が難しすぎる
多読の効果を感じられない原因として多いのが、
読んでいる本が難しすぎることです。
「簡単な本では勉強にならない」
「どうせなら『ハリー・ポッター』を原書で読みたい」
と考える人もいるでしょう。
目標となる本を持つのはとても素敵なことです。
ただし、知らない単語が何度も出てきて、
1ページ読むだけで疲れるなら、
今の多読には少し難しすぎるかもしれません。
もっとやさしい本に替えることは、
英語のレベルを下げることではありません。
私も、難しい英語の論文を読む合間に、
子ども向けの絵本を読みます。
私にとって、やさしい本を読む時間は、
遠泳の途中で息継ぎをするようなものです。
頭を休ませ、集中力を取り戻し、
英語を英語のまま受け取る感覚に戻ることができます。
多読を始めたばかりの方ならなおさらです。
「こんなに簡単でいいの?」
と思える本から始めてみてください。
大切なのは、難しい英語と格闘することではなく、
内容を楽しむことです。
2.分からない単語をすべて調べている
分からない単語が出てくるたびに辞書を引いていると、
物語の流れが止まってしまいます。
特に英和辞書で日本語の意味を一つずつ確認すると、
意識が英語から日本語へ戻りやすくなります。
単語が一つ分からなくても、
話の大筋を追えているなら、
そのまま読み進めて大丈夫です。
同じ単語に何度か出会ううちに、
前後の文章や場面から、
「こういう意味かもしれない」
と分かることもあります。
分からない部分が多すぎて物語を楽しめない場合は、
辞書を引き続けるのではなく、
本のレベルを下げるか、別の本に替えてみましょう。
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3.英語に触れる頻度が少ない
月に数ページだけでは、
英語の文章や語順に慣れるまで時間がかかります。
ただし、最初から
毎日1時間読む必要はありません。
まずは1日10分、
または週に3〜4回から始めてみてください。
一度に長く読むことよりも、
英語に触れる日を増やすことが大切です。
4.試験の点数だけで効果を判断している
多読を始めてすぐに、
TOEICや英検の点数が大きく上がるとは限りません。
初めは、次のような小さな変化にも注目してみてください。
- 英文を読むのが少し楽になった
- 前に戻って読み直す回数が減った
- 洋書を初めて最後まで読めた
- 日本語に訳さず分かる文が増えた
- 以前より長く英語を読めるようになった
- 英語の本を開くことへの抵抗が減った
こうした変化も、英語力が育っているサインです。
5.多読だけですべての英語力を伸ばそうとしている
多読は、読解力や語彙力、
英語を処理するスピードを育てる方法です。
一方で、多読だけで発音や
会話力のすべてが身につくわけではありません。
リスニングを伸ばしたい場合は
音声付きの本を活用し、
話す力を伸ばしたい場合は、
音読や会話練習も組み合わせましょう。
多読で得た単語や表現を、
聞く・話す活動につなげることで
英語を使える場面が広がっていきます。
まとめ|英語多読は楽に読める一冊から始めよう
英語多読には、英文を読む力、
語彙力、読むスムーズさなどを
育てる効果が期待できます。
2025年に発表された研究のまとめでも、
読解力や語彙、読むスムーズさ、
学習意欲などへのプラスの効果が報告されています。
ただし、難しい本を我慢して
読めばよいわけではありません。
効果を感じやすくするポイントは、
- 自分に合ったやさしい本を選ぶ
- 短い時間でも継続する
- 分からない単語をすべて調べない
- 語数だけでなく小さな変化にも目を向ける
- 必要に応じて音声や会話練習も組み合わせる
ことです。
もちろん、変化の時期や内容には個人差があります。
100万語という大きな目標を、
今すぐ背負う必要はありません。
まずは今日、辞書がなくても楽しめる一冊を
10分だけ読んでみてください。
「英語なのに分かる」
「この先が気になる」
そう思える一冊との出会いが、
英語を勉強する毎日から、
英語で物語を楽しむ未来への第一歩になります。

一方で、
「自分に合う本が分からない」
「一人では、いつの間にか読まなくなってしまう」
「続けているけれど、英語力が伸びているのか不安」
と感じる方もいるのではないでしょうか。
オンライン英語多読クラブWorldLit Circlesでは、
本選びの相談や読書記録の共有を通して、
一人で頑張りすぎずに多読を続けられる環境を用意しています。
自分に合った本を見つけ、
仲間と一緒に英語の読書を楽しみながら、
一緒に多読を習慣にしていきましょう。
英語多読を始めてみたい方はチャンス!
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